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「False Island」PC、エニシダに関する諸々の雑記。
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 author : 屍貴族 ×
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ギャワー!!
見事にチキレ失敗。
blogで補完出来るからいいけども
日記縦読みからは漏れるのがいちばんくやしいのかもしんない。
ビクンビクン


62日目

黒い翼を持つ者達の執拗な襲撃。
そこに明確な意志は感じられない。
ただただ、反射的に襲いかかってきているようにしか思えなかった。
あれはなにかが、致命的に壊れている。

けれど、死の間際にはなにかを取り戻すようだ。
その笑みの意味は何かはわからない。
消え逝く死者に聞く術も無い。
それを安息と言うものも居るだろう
救いだと言うものも居るだろう
けれど俺はそうは思わない。
そんなものを与えた気は、更々無い。
いつものようにただ、死を与えただけだ。
命を奪っただけの話だ。

最初の襲撃の内に三番隊とはぐれてしまった。
先の予定ポイントに現れた時は流石に疲労の色濃い顔色をしていたが
幸いにして三人ともに大事には至らなかったようだ。
傷痕も痛々しい。外に戻ったらきちんと診ておかねばなるまい。

-----------------------------------
この島の遺跡ではない、“森”の湖畔。
一足早く粉雪の舞う、そこが待ち合わせの場所だった。
自身が雪という現象に思わず身構えかけてしまうようになっていたのは、少し哀しい。
ここはあの“島”とは違う。それはわかっているはずなのに。
これは冬を告げるもの。
破滅を告げるものでは、ないのだ。

それはフォウトからの申し出だった。
話すための時間が欲しいと。
落ち着きの無い、らしくない様子だった。

たき火の前で熱い香茶で暖を取り、話し出す。
彼女は待ちながら繕い物をしていたのだが、発端はそれだった。
胸部から裾にかけてざっくりと引き裂かれた戦闘服。
そのポケットに収めていたものを落としてしまったと言う。

落とし物は──以前、俺が渡した指輪だった。
だからだろう、思い詰めたような悲痛な顔をしていたのは。

宝石や貴金属というものは持ち主の厄を背負って身代わりになる性質があると言う。
きちんとしまっておいたのにいつのまにか紛失していたというのは、それだ。
まぁ、迷信や噂話レベルなのかもしれないが嫌いな説でもない。
今回の場合はそれと比べると随分とダイレクトだが、身代わりになってくれたのだろうと
フォウトの身が無事だったのだからそれで良い、と告げたが
当人としてはそうもいかないようだった。
責任を感じ、俺との話も無かったことにしようとしていた。
生真面目な、不器用な女だった。

落としたのなら、拾いに行くか。

俺の出した答えは実にシンプルなものだった。
壊れたわけでもない、落としただけなのだから探しだせばいい。
まだ探索の活発ではない人通りも少ない地域だ。
通りがかりの他人に拾われるという可能性もかなり低いだろう。

勿論、フォウトは反対した。
自分一人で赴くならともかく、隊の皆を巻き込むワケにはいかないと。
けれど
忘れていないだろうか。
あいつらはこういう時は水臭いことを言うなとか言ってつきあうような奴らだ。
気の良い、仲間だ。
理由を言えばどうとでも都合をつけてくれるだろう。

まぁ、フォウトとしてはそこも問題なのだろう。
色々と、負い目と引け目を感じていて俺からの申し出を受けきれずにいる。
このまま曖昧に秘めたままにでもする算段だったのかもしれない。
自分がどうこうよりもこちらに気を遣ってのことだろう。

───それならば。
逆にいい機会だ。ここで仲間に理由を率直に話してしまうことで周知の事実としてしまえばいい。
……なんだか、雨云がにやにやと喜びやがりそうな手だな?
とも一瞬過ったが、べつに悪手ではないだろう。
むしろチェックメイトに近い。

フォウトはと言うと……混乱していた。
まさかそんな事を言い出すともそんな展開になるとも思っていなかったのだろう。
慌てながら、チグサやルエとのことを問うてきた。
………どうやら、なにか誤解されていたらしい。
べつに俺は友人として話したりしているだけでべつにやましい事も無いのだが。
まぁ、出会う順番が違えばそういうこともあったのかもしれない。
二人とも、良い女だ。無いとは言いきれない。
だが、ルエにはどうも外見的に娘を重ねてしまうのだが……。
まぁ、この話は今はいいだろう。

俺のことを知らなさすぎると
本当の名前も知らない と不安をぶつけてきた。
自分から話すことも少ないのでそこは反省したがそれはこれから追々話していけばいいだろう。
何を話したらいいのだろうかという点は残るが。

本来の名前は……

二度と名乗ることのない名前だ。あの夜に死んだ男の名前。
今は亡き妻の墓にともに埋葬したものだ。
昔に戻る気も無ければ、戻れもしない。

Triad Chainの一員としての名
フォーマルハウト・S・レギオンの側に居る男の名

最初は復讐者としての仮面の名だった。彷徨う幽鬼の名だった。
けれど金雀枝という名は気付けばそんな意味をも付与されていた。
あいつらの──あいつの隣に居る限り、俺の名前は金雀枝だ。
それ以外の名を名乗ることは無いだろう。


彼女は───傭兵だった。
故に命令を求めていた。

けれど俺が与えたのは命令ではなく自由意志だった。
人として、一人の女として。一振りの刃として扱った。
どちらか一方ではなく、その両面こそが今の彼女を成形するのだから。
それが俺の選択だった。

俺の背中を任せる女。
任せられる、ではなく任せる。鉄火場に立つ者にとって最大級の信頼だ。
血腥い場所で出会った二人の関係を現す言葉としてはたぶん妥当なところではないだろうか。

雪の降る湖畔の外れ。
二人は、ただ互いのぬくもりを確かめるようにそこを動かなかった。
───雪はただ、静かに降り続けていた。


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 author : 屍貴族 ×
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