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broom/bloom.

「False Island」PC、エニシダに関する諸々の雑記。
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 author : 屍貴族 ×
   △ 

あばばばば

こっちがホントの17日分で
前回、17日目って書いてたのは16日分でしたーッ

ってことでおまたせ。フォウトさんよろしく(……)


17日目。

雫。


七が内の一。
水の宝玉は白を纏う少女達が守護していた。
歪な欲に溺れ、水鏡に映る姿を求め貪り合う。
———バロック。
歪んだ真珠達。その歪さで互いを補い合うのか。

そしてその彼女達は
巨大なマングローブの樹の根元で眠っている。
穏やかな水と長い根に護られ。
再び、宝玉を求めに来る者がこの場を踏み入れるまで
試練を与えるその時まで
静かに眠り続けるのだろうか。
だが、俺にはもう関係のない話だ。
興味のない、話だ。
俺に必要なのは……七の宝玉。

大樹には無数の果実が成っている。輝く水色の果実。
近づき、手を翳すとそのうちの一つがゆっくりと落ちて来て
透き通る深い水色の果実は涙滴の型を経て、正八面体の姿となり
眼前で淡い光を放つと俺の掌に静かに収まった。

これは————水の、リゾーマタ、か?

不変不動の根、四元素の一つの姿。
宝玉、と言うからには球体を想像していたが随分と異なる。
アルクとケイロンの手元を確認するとそれぞれ、異なる形の宝玉を手にしていた。
成る程、各人の認識によって姿形が違うらしい。

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魔法陣を通じ、遺跡外へと帰還する。
欠けた者は誰一人いない。余裕すらある勝利だった。

アジトへと戻ると、宝玉を入れる容れ物を作ろう、という話になった。
このまま剥き出しで持ち歩くのもどうにも不便だろうし
落として割ってしまったりしても困る。
どの程度の強度かは計りかねるし、確かめるわけにもいかない。
まあ、アーヴィン辺りが落として割ったらその時に確かめようと思う。

形や、仕組み、デザインなどを描きながら7人で話し合う。
念願の宝玉を手にしたこともあって浮かれた空気が漂う。
それは、度を過ぎなければ悪いことではない。

7人。

九つの輪の内、二つが欠けていた。
秋の一つ星と機械仕掛けの射手は此所に、居ない。
この雨の中、どこへ消えたのか。
そのことに気付かないわけなど無いのだが
誰もそれを話題に出すことはない。
薄々、なにかを感じとっていて口にしないのか
疑念を挟むことすら頭にないのか。
話し合いは進んで行き、詳細が纏めあげられ
設計図が描かれていく。

激しい雨が窓を叩き震わせる。
窓の外を見下ろす。酷い雨だが一芝居打つには好都合だ。
天が、微笑んでいてくれる。

今、俺に出来ることは、ない。
ただ、無事に帰ってくるのを信じて待つだけだ。
二人が、無事に。

俺は、余計な考えを振り払うように作業に没頭していった。

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 author : 屍貴族 ×
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